最近の言葉から。「戦後60年」の年が明けた。終戦の年に生まれた作家、池澤夏樹さんが述べる。「いちばん大事なのは、この六十年間、日本は戦争をしなかったということだ。明治維新の後で、これほど長く続いた平和はなかった」。

  詩人の長田弘さんは、言葉の力について記す。「何をなすべきかを語る言葉は、果敢な言葉。しばしば戦端をひらいてきた言葉です。何をなすべきでないかを語る言葉は、留保の言葉。戦争の終わりにつねにのこされてきた言葉です」。

  阪神大震災からは10年がたった。あの日生まれた、神戸の小学4年生菅原翔平君に、父の敏郎さんはこう伝えたいという。「たくさんの命が消えたあの日、多くの人の助けで、君は生を授かった。この先どんな困難があっても、立ち向かっていかなければならない」。

  「この10年間」について、国際経済学者ポール?クルーグマンさんが述べる。「『自由な市場』『自由な資本移動』こそ最良だと言われ続けてきた。私たちは今この熱病から目を覚まし、忘れていたものを思い出すべきだ」。

  ブッシュ米大統領が2期目の就任演説をした。「我が国の自由が生き残るかどうかは他国に自由が広がるかどうかにかかっている……我々は必要とあれば武力を行使し、我々自身と友好国を守る……米国の決意を試すという愚かな選択をした者たちは、決意の固さを思い知らされた」。

  大津波がスリランカを襲った日、南部の都市ゴールで、女の赤ちゃんが生まれた。「エンジェラシェハニ」と名付けられた。天使の意味という。