6日から始まる主要国首脳会議の主会場は、英スコットランドのグレンイーグルズという古いホテルだ。「眠ったような田舎町で警備しやすい」と英紙は紹介する。

 サミットは30年前、パリ郊外の古城に三木武夫首相ら6首脳が集まって始まった。テロの懸念に抗議のうねりが加わり、4年前にはデモの若者が命を落とした。混乱を避けるため、近年は、高原や湖畔の保養地で催されることが多い。

 「瀬戸内海に浮かぶ直島(なおしま)ほどサミットにうってつけの場所はない」。米作家レイモンド?ベンスン氏は小説『赤い刺青の男』(早川書房)で、香川県の島を作中のサミット会場にあてた。007シリーズの最新作だ。沖縄サミットの翌年に直島を訪れ、ここを舞台にと思い定めた。

 2年前に邦訳される前から、地元では映画ファンらによるロケ誘致が始まった。同じ小説に登場する北海道登別市と協力し、8万人の署名を集めた。だが007映画を手がける英制作会社から色よい返事はない。「次の映画の原作は別の小説に決定ずみ。その配役も固まっていない段階で、次の次以降のロケ地は決められない」と。

 日本で撮影されたジェームズ?ボンド映画には、67年の『007は二度死ぬ』がある。忍者や海女が強調され、フジヤマ?ゲイシャ式の描写も多いが、海外での評判は悪くなかった。

 回り持ちも5巡目に入った本物のサミットで、日本が次に議長国となるのは08年である。京都、札幌、横浜などが誘致を競う。そのころまでに、007が活躍する「直島サミット」が見られるだろうか。