繰り返し見る映画の一つに、黒沢明監督の「七人の侍」がある。大詰めを迎えた総選挙で走り回る7党のリーダーについて「七人の党首」という言葉が思い浮かんだ。

 七という数は、何かをひとまとめにしたり、区切りを付けたりするのにいいようだ。七曜、七草に七変化、七つの海に七不思議。七転八倒やラッキーセブン、七光りというのもある。

 「七人の党首」は、「七福神」のように、それぞれ笑顔をふりまいている。皆、おそらくは「七つ道具」があり、「なくて七癖」もあるのだろう。

 各党首を取り上げた本紙の記事によると、激しく競い合う党首には、重なっているところもある。「尊敬する人」に「信長」をあげるのは、自民?小泉氏と民主?岡田氏だ。共産?志位氏と国民新党?綿貫氏は、ともに「父」という。「好きな映画」では、広島の被爆を扱った「父と暮せば」を、志位氏と社民?福島氏があげた。公明?神崎氏の「男はつらいよ」は、志位氏もあげている。

 カラオケでうたう歌は、さまざまのようだ。X JAPAN(小泉氏)、村田英雄(神崎氏)、ビートルズ(志位氏)、松田聖子(福島氏)、北島三郎(綿貫氏)。新党日本?田中氏は唱歌「ふるさと」、岡田氏は、歌わないという。

 カラオケの歌とは別に、「七人の党首」はそれぞれ、日本の未来をうたっている。ちまたに流れている「七つの未来」のうちで、本当に未来へ希望を託せる「七色の虹」はどれなのか。よく見比べてから「今」を選んで、未来への責任も果たしたい。