昨日の朝、小雨降る東京駅をたって名古屋に向かった。新幹線と在来線、リニアモーターカーを乗り継いで、愛知万博の入り口に着いたのは3時間後だった。

 日差しが強い。ペットボトルは持ち込み禁止なので、入り口で「没収」されたボトルが山をなしている。そこを通り抜けるとすぐにペットボトル飲料の売り場がある。皮肉な光景だが多くの人が買う。

 メーン会場の展示館は、行列の長さがかなり違う。80分待ちの隣が30秒待ちだった。日本館は90分待ちだという。普段なら敬遠するところだが、せっかくの機会と思い、並び始めた。長く直射日光にさらされる場所に来た。ペットボトルの水をハンカチにかけて頭に載せる。75分で中に入った。見たのは正味15分ほどだった。外に出ると午後4時だったが、このころでも、近くの名古屋市では30度を超えていた。

 会場では暑さの対策は幾つも見られた。長い回廊では、人工の霧が噴き出す「ドライミスト」の下で一息つく人が多かった。木材を多用した会場のつくりにも照り返しを和らげる効果があるようだ。しかし、これからが本番の暑さの中で大丈夫かとも思った。

 行列ができるのが日常なら、ひさしや日よけを増やしてはどうか。見に行く人は、うちわや日傘、帽子を用意し、十分に水分補給して、無理には並ばない方がいいようだ。

 万博についての本社のアンケートに、こんな意見が寄せられていた。「環境だけではなく、人にも優しい万博であってほしい」。夏休みで、子供たちも増える。笑顔で帰れる万博にしたい。